外科とは
手術をもって病気やけがに対処する診療を外科と呼びます。心臓やそれに連なる血管を手術で治療する心臓血管外科、脳や脊髄などを手術で治療する脳神経外科、筋骨格系の障害(骨折や捻挫、あるいは骨や軟骨、筋肉が原因で起こる病気)に対処する整形外科、皮膚や筋肉などを再建したり形を整える形成外科があります。
外科は主にその他の内蔵(甲状腺や乳腺、肺などの胸腔内臓器、胃腸・肝臓・膵臓・胆嚢といった腹腔内臓器、腹部大動脈に連なる大きな血管など)を手術で治療する科となります。
当院では、全身麻酔のような全身管理の必要のない小外科疾患のみ対応しております。切り傷、擦り傷、咬傷、やけどをはじめ、粉瘤・脂肪腫など良性腫瘤の摘出、巻き爪・陥入爪など、外来の処置室で実施可能な様々な怪我や病気の治療を行っております。(注:粉瘤や脂肪腫などは美容を考慮し形成外科に紹介することが多いです)
外傷を負った際に、「傷口がそれほど大きくないし、出血も治まったので大丈夫だろう」と自己判断される方もいらっしゃいますが、細菌などが傷口から侵入し、感染症を引き起こすおそれもあります。状況に応じて、早めの処置を行うことが肝要ですので、怪我をされた場合は速やかに当院の外科を受診するようにして下さい。
なお、診察の結果、専門病院での処置や手術が必要と判断された場合は、それぞれの症例に応じて適切な医療機関をご紹介いたします。
当院で扱う主な外科疾患
- 打撲
- 創傷(切り傷、擦り傷、咬傷など)
- 異物刺入(皮膚にトゲや釘が刺さった)
- うおのめ、たこ
- やけど
- 巻き爪、陥入爪
- 他院での手術後のケア
など
切り傷
刃物やガラスなど鋭利な物によって皮膚表面がスパッと切れてできた創傷です。傷口が鋭く切断されているので、周辺組織への影響が少ないのが特徴です。応急処置としては、まず出血を止めます。患部を水道水などでよく洗い流してから傷口に清潔な布などを当て、手や包帯で圧迫するといった家庭や職場での処置では止血が得られない場合、外科を受診して下さい。傷が深い場合、痛みが強い場合、傷口に異物が混入している場合も医療機関での治療が必要ですので、お早めに外科を受診して下さい。
擦り傷
転倒して硬い地面などに擦ったときなど、皮膚の表面が削れて生じる怪我です。出血がひどいときは、切り傷の場合と同じように止血を試みます。一般的には傷が浅めのことが多いのですが、広範囲に及んでいたり、痛みがなかなか治まらないときは、細菌感染の可能性がありますので、外科で治療を受けるようにします。
刺し傷
鋭くとがったものが皮膚に突き刺さることによって生じる怪我です。基本的には、切り傷のときと同じような応急処置を行いますが、傷が深いときは細菌感染を引き起こしやすいので注意が必要です。特に、錆びた金属、土などが付着した竹木などが刺さったときは、感染症のリスクが高まります。
なお、釘やガラスなどが刺さったときは、無理に引き抜くと出血がひどくなり、症状が悪化することもありますので、そのままの状態で外科を受診するようにして下さい。
やけど
火や高温の物体に接触することにより、皮膚に熱性の損傷が生じた状態です。皮膚の表面が赤く腫れる、痛みを生じる、水疱ができる、などの症状が見られます。軽度の場合は炎症を抑える外用薬などでほとんど後遺症を残さずに治せますが、広範囲に及ぶ熱傷は、重度の感染症などを引き起こし、命に関わることもあります。
やけどを負ったときは、すぐに流水で患部を冷やし、損傷部位が皮膚の奥にまで進行しないようにします。症状によっても異なりますが、水道水で5~30分ほど冷やすと良いでしょう。但し、小児や高齢者の場合は、冷やし過ぎにより低体温症を起こすおそれがありますので注意が必要です。
冷水で応急処置を行った後は、患部の状態などによって医療機関を受診するようにします。やけどによる瘢痕(きずあと)を防ぎたい方は、症状が軽かったとしても、お早めに受診しておくことが望まれます。